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教育のことしか書きません。たぶん。

部活強制加入

 こんな記事が話題になっているようで。

“部活動の強制加入 撤廃を” 若者の団体がスポーツ庁に要望 | 教育 | NHKニュース

 

 自分は強制することに賛成ではないです。そもそも部活動はそのような趣旨のものではないと思っているので。勤務校にそのようなルールはないですし、そのルールができるなら職員会議でも発言すると思います。ですが、各校個別の事情があるとは思います。その学校の良い意味でも悪い意味でも歴史だってあると思うのです。

 

 例えば帰宅部の生徒がいるとして、その子は一体放課後に何をしているのでしょうか。予習復習でしょうか。もちろん、日々の授業にのめりこんで部活ではなくともかく教科学習をしたいという生徒もいるでしょう。高校生ならアルバイトでしょうか。それとも英会話スクール?体を鍛えるジム?いろいろ時間の使い道はありますが、中1・高1くらいでどのような時間の使い方が自分にとって良いのか、考えて実行に移せる人はなかなかいないというのは感じています。スマホは所持しだすのでスマホゲームに流れるのが関の山ではないか、と思うのです。大人なら様々な選択肢が見えているとしても、生徒からはなかなか見えない。きっと自分で考え、うまくやるだろうというのは性善説すぎるというか、楽観視というか、甘く見過ぎだと思います。そんなに都合よく動くものではないのです。そしてそもそも一体地域にはどれほど部活以外の生徒が熱中するコンテンツというか、受け皿があるのでしょうか。都市部はまだいいかもしれませんが、田舎になればほぼ本当に学校以外行く場所が何もないということもあり得るでしょう。

 

 もう一度言うと、自分は別に部活強制加入に賛成ではないです。ですが、そのことによって生徒がよりよ成長することにつながる学校もあると思います。強制されてやってみると、意外と活動の良さに気づけたり、仲間と目標に向かって取り組むことの良さを知ることだってあり得るでしょう。良い意味で人生変わることだってあるのです。そもそも学校というのはいろんなことを強制させる場だと思っているので、強制させることは何でもかんでも悪だ、自由であることが素晴らしいんだというような意見には少し違和感を覚えます。皆さんみたいに強制されなければあれがしたいこれがしたい、となるような生徒ばかりではないのです。むしろ、課題がある生徒ほどそんなことはできないことが多い。自由にさせろ!というのは簡単ですが、じゃあその場合何するの?に対して、それは自分で考えろ!というのはなんというか...無責任でしょう。どうしたら生徒がもっと成長できる場が作れるか、一緒に考えていくべきじゃないですか。それこそ、裕福な家庭の子だけが良い体験をしていきます。日本の公教育の良さは全員にあたたかいというか、全員に手間をかけるとこだと思ってます。放任は楽ですよ。公務員はどれほどやろうが、サボろうが、たいして給料は変わらないですし。でも、職責は全うしてないんじゃないですかね。

 

 強制によって教師だって苦しんでいる!という意見もあるでしょう。こればっかりはなんで中高教員って仕事を選んだんだ感は否めませんが...まぁそれが無くなれば採用試験の倍率が上がるか、とも思ったり(それで良い人材を得られるかは別)。これについては、意見が言えない職場の雰囲気・管理職との関係性など、そっちの方が問題じゃないかと思います。部活動のガイドラインには土日1日は休みましょう、生徒たちの自主的な活動にしましょうとあるわけで、やりようはあります。これについては自分の場合、うまくいき過ぎている感もあるので何とも言えません。ですが、自分でそのための道を切り開きはしました(1年目は土日フルで活動する野球部だった)。今はテニス部で自分のやりたいように運営できてますし、他の顧問と協力しつつ土日を休むこともできますし、毎年大阪府の上位にも毎年入っています。私は絶対に顧問はしませんということを管理職にいって厄介者扱いされるような方法じゃなくてもやりようはあります。

 

 さて、ただ言いたいことを好き勝手言いましたが、将来的には部活動は地域で活動するようになり、教員はもっと教科の準備や生徒指導など、そちらに時間をかけられるようになった方がいいと思ってる派です。ですが、学校なんて全国に何万校もあり、その場その場で教員・その周りの人たちがそこにいる生徒の成長を考えて活動できたらそれでいいんじゃないかなぁ。まぁ、すぐに現状維持に動くのも学校なんですが。

 

3月9日。