I wanna go to alps.

教育のことしか書きません。たぶん。

「みはじ」「はじき」

 1年生に物理基礎を教えていますが、1回目の授業内容は速さです。そこから速度、相対速度、加速度、と展開していきます。1回目の授業では必ず「みはじ」「はじき」は卒業しようと生徒たちに伝えます。「みはじ」「はじき」は検索してもらえたらすぐわかると思いますが、文章から速さ、時間、みちのり(距離)のうち2つを見つけ出して機械的に計算する図のことです。しっかりした批判はTwitterで調べたらすぐに出ると思います。10m/sというのは1秒で10m進むということを表すので、そのことさえわかればあのヘンテコな図を描く必要は無いよ、これからは作図や実際のことをイメージすることで考えていこうと話すのですが、毎回振り返りカードで「みはじが使えないから大変だった」「みはじから卒業できるか不安」といったコメントがあります。そこで毎年感じることは、「みはじ」「はじき」って何それ?っていう反応をする子が全然いないことです...。絶対に1回はどこかできいたり、教わったりしているんじゃないかと。そう思うと、よかれと思って今までの先生が教えているかもしれませんが、ここから先、高校以降の学習にかなり弊害があると思っています。そもそも加速度の内容に入ればすぐに速度が変化するので「みはじ」「はじき」で計算できないですからね。今まで必殺技のようにいい方法だと教えられてきた生徒たちはやっぱりなかなかやめられないんですよ。その方法がいいと大人に教えられてきたし、それで点数も取れてきたのですから。でも、実際の動きをイメージする習慣が無ければこの勉強している物理も空虚なものというか、問題を解く・テストで点数を取るゲームをしているだけじゃないでしょうか。物理はその名の通り物の理で、物があって、現象があって、それを説明しようとしているわけで、それの理解のために問題を解いているはずなのに、いつの間にか問題を解くことが目的になってしまっています。40人同時に教えていてわかるように導くことは大切ですけど、「みはじ」「はじき」みたいな短絡的な指導はしたくないなぁ、と思った授業1週目でした。4月19日。